6月18日午前、江蘇万海医療器械有限公司（以下、万海医療）は常州西太湖科技産業園管理委員会と調印式を行い、3億9,000万元（約89億円）を投じて西太湖に年間3億1,000万本の注射ペンを生産する常州生産拠点を建設する計画を発表した。

  2016年設立の万海医療は、中国国内の注射ペン業界で「隠れたチャンピオン」として知られる。主力製品は、インスリン製剤、GLP-1製剤、その他のホルモン・モノクローナル抗体治療薬向けの「繰り返し使用可能なペン型注射器」「使い捨て（プレフィルド）ペン型注射器」「自動注射器」であり、60件以上の特許を保有している。現在、通化東宝や金賽薬業など180社以上と提携し、60以上の国・地域に製品を供給。今年2月には、世界的投資機関IDGから1億元（約23億円）の出資を受けた。

  専門機関の予測によると、2024～2030年の世界注射ペン市場の年間平均成長率は7.9％とされる。同社は金型設計・製造、樹脂成形、自動化組立・検査などの核心工程を自社内で一貫管理し、外資ブランドに比べて大幅なコスト優位性を実現。運営効率とコスト管理能力は業界トップクラスである。

  さらに万海医療は、欧米の高付加価値市場進出に向け、米国FDA認証の取得を推進中。2026年初頭の認証取得を目指すほか、グローバル製薬企業との早期共同開発を強化し、製品設計から規制当局への申請サポートまでを含む「ワンストップソリューション」の提供を拡大する方針である。